新年諸考

ハイ、というわけでなんか明けましたね。

おめでとう、と言いたい所ではありますが･･･
ちょうど昨日、森博嗣の「笑わない数学者」を読んでいて、
「新年なんてものは自然界の特異点であるわけでもなく、意味なんかない」
と言う話に妙に納得してしまい
「本当に、新年の何がめでたいのだろうか」
なんて考えてしまっている昨今です。

しかし・・・「笑わない数学者」、実に良かったです。
「すべてがFになる」から読んできて3冊目なのですが、個人的には一番気に入りました。
オリオン像のトリックはすぐに気付いたのですが、最後に出てきた天王寺博士の秘密までは流石に･･･
いや、実に素晴らしい。
「内」と「外」の逆転
見出される条件からでは答えを決定することは出来ず、敢えていうなら
「不定」
そして最終的な決定は主観的な判断に任される･･･

知識としては知っていても、それをこうした形で示されると･･･
面白い、と言うか、美しい。
そう、むしろ美しい。
無機質な論理によって構成された、冷厳な神秘に包まれる恍惚感･･･
個人的な感情をはっきり言ってしまえば、答えなんて、なくても良いんです。
素晴らしい問いと謎がそこにあれば。
そう考えてしまうところが、哲学徒の端くれとして、私がある意味恵まれており、そして決定的にネックとなる部分なのでしょう。

新年･･･
四年前には家族で、近くの神社において迎え、
三年前には高校の狭い部室で第九を聞き、山に登って曙光を拝んで迎え、
二年前には友人宅で第九とハムレットを鑑賞しつつ・・・
一年前にはアルバイト先のコンビニで労働しながら、
ここ数年、色々な形で迎えてきた新年･･･

今年は実家で適当に寝転びつつ同人誌を読みながら、なんとなく迎えてしまったのですが。

新聞の易占によれば、二月生まれの、今年のキーワードは
「GOING　MY　WAY」
色々と頑張ったり頑張らなかったりしつつ、ちょっと頑張って、かなり気楽に、このサイト共々やっていきたいと思いますので･･･

ご覧の皆様におかれましては、新年の益々のご発展を。
本年も宜しくご笑覧頂ければ幸いに存じます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００５年　元旦